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【映画】「ハドソン川の奇跡」から考える、プロフェッショナルとは一体なんなのかということ

天才にしか人並みはずれた仕事はできないのか?

2016年に「ハドソン川の奇跡」という映画が公開された。

この映画は、2009年に実際に起こった事故をもとに制作されている。

離陸直後の飛行機が、バードストライク(鳥と衝突すること)によって両エンジンが停止、パイロットのとっさの判断で、ニューヨークを流れるハドソン川に緊急着水をした、というのが事故の内容だ。

 

水面への緊急不時着は極端に難易度が高く、他の選択肢が全て断たれたときの最終手段とされている。

その最終手段を取らざるを得なかった状況にもかかわらず、乗客乗員155名で一人の死者も出なかったことが、「ハドソン川の奇跡」と称される理由である。

 

この映画の主人公は、緊急着水を行ったパイロットだ。

いわゆる「奇跡」を起こしたのだから、天才パイロットが誰にも真似できない技術で成功させたのではないか、と思った人も多いのではないだろうか。

たしかに、彼は相当な技術をもっていたが、天才だからその技術を持っていたわけではないし、それだけが奇跡の要因ではない。

 

それは映画の描写から伺うことができる。

常にジョギングを欠かさず基礎体力を高める姿。

不時着水を成功させた直後、全く浮かれず一心不乱に乗客の救助に務め、最後の最後まで機内に残り逃げ遅れた人がいないか確認する姿。

そしてなにより印象的だったのが、乗客乗員155人、全員の無事を知らされた時に初めて見せた笑顔である。自らの仕事に対する責任感の大きさを表すシーンだった。

これらの姿から、おそらく、操縦技術も日々の訓練の積み重ねで身につけたのだろう。

 

そう、この「奇跡」は天才が起こしたものではなく、日々、自分のやるべきことを責任をもって積み重ねてきた、凡人が起こした「奇跡」なのである。

 

プロフェッショナルとはなにか?

NHKで放送されている「プロフェッショナル 仕事の流儀」という番組がある。

毎回、ある分野の専門家を1名とりあげて、密着取材を行い、その人物の仕事に対する姿勢、つまり「仕事の流儀」をとりあげる番組である。

ある回に、新井和宏さんという金融の専門家がとりあげられたことがある。

彼はかつて世界的に有名な投資銀行に勤め、10兆円近くにも及ぶ莫大な額の資産の取引を行っていた。

しかし、ある時大病を患いやむなく退職され、現在は社会の役に立っている会社に長期的な融資を行う投資信託を立ち上げて活動されている。

 

番組の最後に、毎回「プロフェッショナルとは?」という質問がされる。

その時の彼の答えはこうである。

 

「どこまでも謙虚に、誰よりも強く思い、そして日々の努力を積み重ねられる人、そうすれば、誰もいけないところにいけるかな」

 

この姿勢はハドソン川の不時着を成功させたパイロットと全く同じだ。

 

残念なことに、私たちのほとんどは天才ではない。

けれども、それはそんなに悲観することではないのではないだろうか?

たとえ凡人でも、強い思いを持って、日々小さいことを積み重ねていけば、いつか「誰にもいけないところ」までいけるのかもしれない。